外遊帳 2012 夏

04外遊帳 05 冬  05 春 05夏 05秋 06冬 06春 06夏 06秋 07冬 07春 07夏 07秋 08冬 08春  08夏 08秋 09冬 09春 09夏 09秋 10冬 10春 10夏 10秋 11冬 11春 11夏 11秋 12冬 12春 12秋

9月の遊びを思い起こしてみたが、遊んだ記憶がない。

こんなに遊ばない9月もなかった。
10月に近づくまで、真夏のような暑さの、異常な9月だった。
唯一の覚えているのは、娘とのキャンプだ。


9月の半ばに上の娘と犬を連れて一泊キャンプをした。

昔から使っている小さいテントに2人と1匹で泊ってこようと言うと、娘はとても喜んでついてきた。

夕食後、暗い森の中に入った。
曇っていたので、ライトを消すと、真の闇が広がった。
たった1m先が見えない闇だ。そんな暗さを娘に体験させたかった。
暗闇の中から、犬が近づいてくると、白黒模様の、白い部分だけが浮きあがって見える。それだって、やっと2m以内に近づいてからだが・・・。


この後、川でのソロデビューをさせようと思ったけれど、行く暇がなかった。

テントにもぐりこみ、夜半便所に起きると、雲はどこかに行き、満点の星だった。
娘をおこし、天の川を見せた。天の川も流れ星も初めてみたと言っていた。

翌朝、飯を食べて、その後カヤックで湖に漕ぎだした。
ヤマセミが何羽も飛んでいた。オジロワシやミサゴもいた。
ナキウサギの声もあちらこちらで聞こえた。



キャンプ場の近くの木に、何度もヤマセミがとまった。


テントにかえると雨が降りだしたので、テントをたたみ家に向かった。
静かな良いキャンプだった。


8月の釣りを思い起こしてみる。

1か月も更新をサボると、記憶も定かではない。
でも、3回海に釣りに行き、ひどい釣果だったのは確かだ。
良い釣果なら、もうとっくに公開していただろう。

8月初旬のウミアメ釣り。



早朝から2つの釣り場をまわるが、アタリなしの完全坊主。
ならば既に川に入っているだろうと、数時間川をさまよって釣れたのは、海に降りてないチビイワナが1尾だけだった。
大きな魚の気配がいくつかの深みであったが、カラフトマスのようだった。



お盆には、知床ウトロ側にカラフトマス釣りに行った。
最近は瀬渡しばかりだったが、以前はよくここで釣りをしていた。
夕方現地に着き磯を見下ろすと、5,6名の釣り人が竿を振っていた。
自分も降りて行き、隣に入れてもらおうと声を掛けると、知り合いだった。
どうも魚は極めて薄いらしい。
日没まで粘ったが、リップレスミノーで釣れたというアキアジを1本見ただけで、カラフトマスを見ることはできなかった。

ビールとラーメンの夕飯を済ませて車の中で仮眠をとろうとしたが、上手く眠れないので、諦めて午前1時前には磯に出て行き、そこで朝を待つことにした。
上空は満点の星で、天の川が見えた。
流れ星を21つ数えたころ、空が明るくなり始めた。

釣り人は少なく、以前来た時には暗いうちから結構な数の人が場所取りに磯に降りて来ていたが、この日は夜中じゅう私一人だった。私の次に釣り人が来たのは3時になってからで、かなり明るくなっても先端部には7人の釣り人しか入らなかった。

毎年来ているという釣り人が「ここ10年で一番魚がいない」というぐらい、魚はいなかった。
左隣の人がガヤを何匹か釣り、最先端で釣りをしていた人がホッケを釣った。
この釣り場でホッケを釣ったのを見たのは初めてだなあと思っていたら、私の竿にも魚が掛った。
ガヤやホッケとは違う重量感が竿に伝わり、ああ、やっときたかと本命を確信したが、あまり騒ぐとかっこ悪いので、熟練の釣り人のふりをして焦らず騒がずスマートな処理をした。
周りの釣り人が注目する中あがって来たのは・・・。



まさかのカジカくん。
えーん。
私は泣いたが、周りの人はみんな笑っていた。タスマニアンデビルに来るところがすごいと思う。
この後、みーんな帰り、無人になった磯で10時までねばったけれど、結局これ1尾で終わってしまった。持って帰ってカジカ汁にして食べましたよ、だって、たった1尾の釣果だもの。

8月下旬の瀬渡し
その後もカラフトマスの群れが入ってきたという情報がないまま月末を迎えたが、年に一度は瀬渡しに行っておこうと、Y氏、N氏とともに26日、羅臼の常宿を目指した。


去年は胃炎だったが、今年は前夜から全開で楽しんだ。

3時半に出航し、最先端で釣りを始めたのは4時半ごろだったろうか、この日は同じポイントに入った人たちが、8:30までしか釣りができないということなので、それに合わせて4時間ほどしか竿を振れなかった。

流石に先端まで行けば、魚の群れはそれなりに見られたが、数日前に入った群れらしく、なかなか口を使わせることができなかった。
この日は短期決戦ということもあったし、前回坊主だったということもあり、早々に作戦を変えて、浮きを付けた。


綺麗な朝だった。これで魚が山ほど釣れれば言うことはないのだが。

ほとんどやったことのない浮き釣りにかえると、数投目で魚がヒットした。
でかいオスで、近くに寄せてからは何度か走られ、久しぶりのファイトを楽しむことができた。
その後も、何度かアタリが来たり、掛けたりしたが、乗らなかったり、浮きごと持っていかれてしまったりして釣果は伸びず、最後の最後にもう一尾追加して2尾という貧果で終わってしまった。
最初から浮きルアーで通したYさんは5尾で、Nさんは・・・かわいそうに。


釣れた2尾はどちらも65cmの巨大なオスだった。

これまで釣れなくてもルアー単体で通すことが多かったが、これからは浮きや餌も少し用意しておこうと思った。
釣れた2匹の魚は食べる分にはこのくらいの色が美味いというが、引きはフレッシュなものが一番だ。
サイズが大きいのでそれなりに強かったが、スピードがないのだ。
来年は、早い時期にいい釣りがしたいなあと思う。

帰りはいつものように、フクちゃんの所に寄って、魚を山ほど貰って帰った。


イカだけで100杯は頂いただろうか。クーラーには入りきらず、RVボックスの中身を出してイカを入れた。


7月29〜31日 この釣りも3年目になる

初日
早朝に十勝を出て道北へ向かう。いつもとは違って富良野を通る道を選んだ。
いつもと違うと言っても、しょっちゅう道を間違えるので、「いつもいつもと違う道」だったりするのだが。

14時に今日の川に着いた。始めて2時間はウグイばかりが釣れた。
ここぞというポイントでヒットする巨大なウグイには一瞬ドキリとさせられる。
それでも1,2度ウグイにしては明らかに大きすぎるシルエットも見ることができたので、そのまま釣りを続けた。

2時間釣り下り、そろそろ戻らなければ危険だなあと感じ始めたころから、イトウの数が増え始めた。
高水温と渇水のため、日が高いうちはなかなか姿を見せなかったのかもしれない。それとも、2時間下ったそのあたりが、イトウが住むのに心地よい流れだったのかもしれない。ぐっと深くえぐれた深みが増えてきたし、そういう深みにはたくさんの倒木が沈んでいる。


30〜40cmのウグイが、次々と釣れた

そんな中、ついにイトウがヒットした。やはり適度な深さと流速のあるポイントだった。
良いサイズのイトウだったし、最初の魚だったので時間をかけて弱らせようと静かに竿を捌いた。しかし、イトウは意に反して暴れ、回転し、ラインを体に巻きつけて抵抗するので、しかたなく一気に勝負をかけて岸際に少しだけあった泥の斜面にランディングした。無事取り込んだ魚は70あった。初日に釣れた魚としては上出来である。

さらに少し下って、まだまだ釣れそうな雰囲気があったのだが時刻は5時をまわった。あまり遅くなると熊が活動し始めるかもしれない。ここまで来る間に2カ所熊の足跡を発見している。昨年買ったガーミンで現在地を確かめるとちょうど川が道路に近くなっていた。100mほど歩けば道に出られそうだった。笹や背の高い草や灌木がびっしりと生えているところを100m歩き道まで出るのが良いか、来た道を引き返すのが良いか迷ったが、前者を選択した。

普通こういうときには後者を選択しなければならない。
視界の聞かない所を歩けば、道に迷うことは必至である。100mといっても、普通の森の100mではない。人の背よりも高く、川に沈めればそのまま簗(やな)になるほどに密集した笹藪などは、10m進だけでも汗だくでくたくたになってしまうのだ。

けれど、今回はGPSという心強い味方を持っている。なるべく笹を避け、ガーミンとコンパスをたよりに藪を進んだ。背の高いイタドリや何かのつる植物に多少苦労したが、10分ほどで道まで出ることができた。それから車まで15分だったので、合わせても30分弱で車まで戻ることができた。川沿いを戻ったら1時間以上は掛ったと思われるので、随分と楽だ。ハンディGPSは、この釣行のために買ったのだが、思ったとおりに今回の遠征を通してとても重宝した。


素晴らしい魚体は70cmあった。こういう魚が釣りたかったのだ。

2日目
キャンプ地を3時に出発し、早朝から昨日とは別の河川でイトウを狙った。
釣り始めて1時間後に、水柱をあげてでかい魚がミノーに襲いかかった。
目の前数mでのヒットだったので、尻尾で水面をたたいて暴れる魚は迫力があった。
自分の周りを左右に泳ぐイトウをいなし、岸際に誘導してイトウを抑え込んだ。
去年この川でに70cmくらいのサイズのイトウを直径40cmぐらいのネットに入れようとして逃がし悔しい思いをしたので、今回どの魚に対してもネットは使わなかった。
魚にメジャーをあてると77cmあった。


タイマーで撮ったら、丁度顔の部分に水滴がついて、勝手にモザイクになってしまった(悲)

この後、この川のいくつかの区間で釣りをし、75cm1尾と30前後の魚を3尾追加した。
小さい魚はすべてスプーンに出た。子イトウがたくさん釣れたことはイトウの今後について嬉しいことだったが、スプーンを使うと小さいイトウも釣れてしまうというのは、釣り方としてはちょっと問題かもしれない。
イトウ釣りで1日5匹の釣果は悪くないが、かなり長い距離を釣り歩いているし、もう少し大きい魚も見ているので、不完全燃焼の気持ちの残る1日だった。
開始すぐにいいのが釣れて、この日の期待値が必要以上にあがってしまったのも、この日の満足度が低い理由だろう。すごく長い距離を歩いたので、体もくたくただ。


CDJ11cmに出た75cmとスプーンに出た30cmのイトウ。


3日目
この日の朝、良い釣りができたら午前中で釣りを止めて、家に帰ろうと思っていた。
2時過ぎからキャンプ道具を片づけ、釣り場に向かう途中に雨が降り始めた。昨日までのクリアな渇水では魚は出づらいと感じていたので、初めは「雨か。しめしめ丁度よいぞ。」ぐらいにしか思わなかった。
ラジオのオリンピック中継では、体操男子団体でエースの内村の最後のあん馬の演技が終わったところだった。内村の得点について日本が抗議をし、初め4位と発表されたのが2位と判定が変わったあのシーンの時間帯である。

釣り場に近づくにつれ徐々に雨は激しくなり、雷も鳴り始めた。それからほんのしばらくでどしゃぶりとなった。これほど降ると、魚の活性が上がるという期待よりも、川が釣りのできる状態であるのかが心配になってきた。
川に着き橋から下を覗くと、心配したとおり、すでに川の水は濁って増水していた。

濁っているのを見たのは、川のだいぶ上流だったので、そこが濁っているとなると、他も多分駄目だろうと感じたが、諦めきれずにあちらこちらの川を見て回った。

3、4時間、色々な川を回り、最後に釣りをしようと選んだポイントは、今日初めに川を覗いた橋の近くのポイントだった。そこが他よりはまだましだったからだ。
川までのルートはぬかるみ、いつもよりも川にたどり着くまで少しだけ時間が掛ったが、なんとか目当ての区間に出ると、その足元から、大きいイトウが2匹も逃げていくのが見えた。
「魚はいる」
とやる気を出して、竿を振ったが、この区間で2時間竿を振って、釣れたのはウグイが1尾だけであった。
しかし、この川での釣りは楽しかった。川は濁っていたが、場所によって澄んだ水が流れ込んでいる場所があり、そういうところには決まってイトウの姿が見られた。サイズも大きく70〜90cmぐらいの魚を何匹も見た。澄んでいるちょっとしたスポットに避難している魚の鼻面にルアーを送りこんでも、全く見向きもされなかったが、こういう状況下では、そういうものなのだろうと理解した。何より、この区間に良いポイントがいくつもあることがわかったことや、そこには大きいイトウが数多く生息しているということを確認できたのが収穫だった。

10時には釣りを止め、11時には汚れた衣服をキャンプ場で洗って帰路についた。
この濁りが明日におさまるのなら明日は大きなチャンスだが、天気予報は今日の夜から明日にかけても雨だと伝えていた。残ってそのチャンスにかけたい気持ちもあったが、楽しみは次回にとっておこう。

行く度に釣れるサイズが少しずつ上がる道北。今回の釣行でも何尾もの大きな魚を見た。
帰りの車の中で、すでに次回の釣行に胸が高鳴り、口元の緩む自分がいるのであった。


GPSを見ながら藪を漕ぎ、車に戻ってら、帽子にシャクトリ虫がついていた。



7月22日(日) 山の川へ

キンゾーさんから連絡が入り、1日綺麗な川で遊んだ。
最初のニジマスの川で魚が出なかったのは残念だが、3本の川で釣りをして、小さい岩魚や山女と遊んだ。
ロケーションは最高だったし、キンゾーさんとの釣りも久しぶりだったので、楽しかった。


この渓からは、岩魚が次々と顔を出した。海から200mで、岩魚なんて、ねえ。


最後の川へは、こんな崖を降りないと行けないのだけれど、行く価値のある渓であった。



そこで釣れた、まあまあのサイズの山女だけれど


数時間後には、こんな姿に・・・。美味かったです!

良い釣行だった。
ちょっと嫌なこともあったけど、ね。

さて、来週は、いよいよ道北イトウ釣行だー!!


7月14日(土) ウミアメ→ブリ

先週の見出しがウミアメ→ニジマスだったので、今回は、→ブリとしてみたのだが、ブリを釣ったというわけではなく、ブリを貰った。
海アメはどうだったかというと、アタリすらなくボウズを喰らってしまった。
早朝から、3か所ほど転々とし、最後は、南十勝の海までいったが、見たのは波打ち際を泳ぐイルカと、沖で跳ねるサクラマスだけで、いかなる魚も釣れなかった。
2日後には良い釣りをしたという話も聞いたけれど。


どこもかしこも、人はおらず、魚もいない。

次の日に消沈して家でダラダラしていると、キンゾーさんから電話がきた。
「ブリ釣れたから、夕方取りに来い」
というありがたい内容だ。


今年のサイズは6kgクラスだそうだ。台所で捌くのに限界のサイズかも。


脂も乗っていて、最高に旨かった。

今回のブリは昨年貰ったものよりも大きかった分、脂が乗っていた。
刺身、しゃぶしゃぶ、焼き物とどれも美味かったが、今年もいくつか学んだ。
1、しゃぶしゃぶの時は薄く切らなきゃダメ。
2、内臓は茹でてポン酢より、煮込みの方が好み
3、カマの塩焼きは美味いが、身の塩焼きも美味い。
4、ブリ大根はアラの汁で大根だけを煮るのがベター。
5、アラ煮は、1週間後でもずーっと美味しくて、素敵な料理。

↑なんか活字にするとイマイチだな。

ブリはすんごい面白い釣りだって言うんだけど、タックル全部そろえてとなると、金がないなあ。
もうしばらく後になるかなあ。でもそうすると、体力無くなりそうだしなあ。

いずれにせよ、大変美味しゅうございました。ありがとうございました!


4〜5日は、晩酌のつまみに事欠かなかった。。


左は厚く切り過ぎたしゃぶしゃぶ用。右は茹でた内臓に薬味を載せたもの。ポン酢で食べるとなかなか美味い。


7月7日(土) ウミアメ→ニジマス

前日は夜会議で、その後、飲み会があったのだが欠席した。
そういう飲み会を蹴ることはそうそうないのだが、次の日は早朝から釣りをしようと決めていたので欠席した。早朝から遊びに行かねば死んでしまう病を罹っているので仕方がない。

3時に目覚ましを合わせたが、その前に目が覚めた。
それから準備をしたが、昨年来ちゃんと釣りをしていないので、道具がどこだとか、何持って行くんだっけだとか、無駄に時間を過ごし、釣り場についたのは、5時半ごろになってしまった。

人はまばらで、海の色も波の様子もなかなか良かったが、魚は散発にしか出ない。
そして、たまーにアタるというタイミングだと、バラシも多くなる。
沖にはイルカが姿を見せた。まあ、毎年のことだ。


釣り始めてから、接近遭遇した釣り人はHiroshiさんだけだった。


釣りあげた魚はどれも小さかったが、背中はウミアメらしく緑色だった。

40cmに満たないぐらいのアメマスを3匹釣りあげた頃、Hiroshiさんに会った。
Hiroshiさんも、魚が薄く、サイズもが小さいと言っていた。

その後、昼前まで粘り、小さいアメマスと小さいサクラを1尾づつ追加し、釣り場を後にした。

この日はバードックに魚が良く反応したように思う。小さいのしか釣りあげられなかったが、1度だけ、まあまあのサイズだろうという魚が掛った。掛った瞬間バシャっと暴れ、尾びれを見せて逃げていってしまった。モンスター級ではないが、ファイトできれば楽しいサイズだったと思うので残念だ。


海では曇っていたが、川では青空になった。

ちょっと消化不良だったので、帰りにニジマスを釣りに川に入った。
塩にまみれたウエーダーも綺麗になるし、天気も上々だ。

1時間ほど釣り上がって、小さいのを何匹が釣った後、きつい流れのぶつかる崖下の岩盤があった。迂回しなければこれ以上川沿いには歩けない場所だったので、ここを攻めたら引き返そうと思った。

ギリギリまで崖を伝って歩き、上流に向かってキャストした。
覆いかぶさった樹木の枝の下の深みには、適度な流れがあった。
どう考えても魚が着いていそうだった。

2回目だったか、流れよりも少しはやいスピードでミノーを引いてくると、ロッドに違和感を感じアワセを入れたが、ヒットはしなかった。それが、魚だったのか、底の岩盤をこすっただけだったのかはわからなかったが、どうも魚がいるような気がしていつもよりしつこくルアーを投げ続けた。
何度か投げたディープダイビングミノーに、ついにヒットした虹鱒は、久しぶりの大物だった。

しっかりと合わせると、ドラグを鳴らして上流に走り出した。
数秒後、一瞬軽くなり、バラシたかと不安になるが、それはこちらに向けて走っただけであった。

私のへばりついている崖から続く岩盤の足場は、少しだけ傾斜していて、川の水で濡れている。そこには苔がついているので、とても滑りやすくなっている。ランディングネットは持ってきていない。下流に走られると流れが強いので、バラス確率は一気にあがる。岸にズリあげる場所もない。こちらに不利な条件が多い。足を滑らせ川に落ちれば、そこは流れの速い深場なのでアウトだ。
ただ、何故か私は落ち着いていた。

昔はニジマスを狙いに毎週(時には毎日)川に入った。その頃は、大きいのが掛る度に、心臓が飛び出しそうなぐらい緊張した。
あれから何年もたったこの日に落ち着いていたのは、その何年かの経験に依るものなのか。それとも虹鱒という魚が、私にとって以前ほど価値がなくなったのか。

ジャンプさせないように、無理に刺激しないように、少しずつ弱らせた。
流れの中で定位するニジマスは、殆ど暴れることなく、それでも少しずつこちらの思惑通り体力を消耗していった。
1度は大きなジャンプを見せたが、そのジャンプにもラインを緩めないようにロッドを操作することができた。

無事取り込んだ魚は、50cmには僅かに届かなかった。
初めに思ったほどのトロフィーサイズとはいかなかったが、正しく対処して手にできたことが嬉しかった。

さて、来週は、海へ行くか、川へ行くか、湖に行くか。



7月1日(日) ヤマベ祭り

毎年7月1日に釣り仲間でヤマベ祭りという飲み会を開いている。
7月1日に解禁したヤマベ(北海道ではヤマメのことをヤマベと言う)を釣って、それを寿司屋に持ち込んで喰うというイベントだ。
7月1日はだいたい平日なので(当たり前だ)、これまでは勤務終了後に飲み会だけに出席させてもらっていた。

今年は日曜日にあたったので、夜の宴会だけでなく、釣りから参加することができた。

釣りのメンバーは5人、OVER60が3人もいるというベテランぞろいで、私は一番年下だ。
現地に2時ごろ到着し、先輩が用意してくれた寿司折で腹ごしらえをする。寿司にはトロだのイクラだのウニだの入っていたので、きっと特上だ。

2時半に車止めから出発し、暗闇の中5人で釣り場を目指す。
1時間で4,5Kmほどは歩いただろうか、やっと釣り場に着いたころには、まわりがやっと明るくなっていた。そこまでに熊の糞を10ヶ所ほど見つける。これほど一度に大量の熊の糞を今まで見たことはない。
ここは熊の巣なのだ。


こんな渓で釣る、気持ちよさ。


紅一点のママ。凛とした立ち姿。釣った数も一番だ。

川に出て、私とYさんが下流に、他の3人が上流に向かった。
3、4時間ほど釣りをして、釣果が25,6尾なので、あまり高釣果とは言えないが、綺麗な流れで竿を出すのは楽しかった。一番釣ったのはママで51尾、釣らなかったのは釣りを始めて間もないSさんの5尾で、後はみんな似たりよったりだった。

こんなのがいたるところにあった。甲虫類を食べているようで、金属光沢の羽が沢山分に混ざっていた。


ママの作ってきてくれた昼飯のおかず。すんごく美味い。贅沢。

8時半には川から上がり、その後ママの弁当を食べ、温泉に行き、明るいうちから宴会に突入した。
釣ったばかりのヤマベは寿司屋に持ち込まれ、にぎりやバッテラになった。毎年のことながら、最高に旨かった。


この模様の寿司を食べたことのある人はめったにいないだろう。